家庭教師を依頼する際には「家庭教師会社に依頼する」もしくは「家庭教師の個人契約」のどちらかとなります。こちらの記事では、家庭教師会社へ依頼するメリットについてご紹介します。
家庭教師会社とは
家庭教師を依頼する場合には、家庭教師会社と契約し先生を派遣してもらうことが一般的です。
家庭教師会社とは、家庭教師を派遣する会社のことを指し、家庭教師センターとも呼ばれます。先生は、家庭教師会社と雇用契約(業務委託契約)を結び、ご家庭も家庭教師会社と契約を結ぶという『家庭教師の仲介役』となります。
家庭教師会社へ依頼するメリット
家庭教師へ依頼するメリットを紹介します。
先生の質が保証されている
家庭教師会社から派遣される先生の『質』がある程度保証されています。家庭教師会社は、先生と契約(採用)をする際に、面接や試験を行うことが一般的です。
家庭教師の業務を行えるかの 『 能力的な部分 』 や「言葉遣いが綺麗」「遅刻をしないか」「無断欠勤をしないか」など、マナーや常識・コミュニケーション能力が備わっているかなどの『人間的な部分』など家庭教師の適正を見極めています。
先生の質にバラつきがあると家庭教師会社の信用失墜につながりますし、トラブルは未然に防ぎたいと考えるため『質』についての見極めはしっかりと行われます。
さらに指導方法やマナーなどについても、家庭教師会社で研修を行うので『先生の質』がある程度は保証されており、トラブルなどにも発展しづらいです。
身元の保証
『先生の質』に通ずる点ですが、先生の身元(素性・経歴)がある程度は保証されています。
家庭教師会社が先生と契約を結ぶ段階で、どういった学校に通っていた(いる)かなどの確認があり、人間的な信用も見極めます。
中には経歴(学歴)や実績を偽って家庭教師を請け負う人もおり、また、残念ながらセクハラやストーカーをしてしまう危うい人もいます。
家庭教師は基本的に一対一となるので、先生がどんな人物かは、ご家庭とのコミュニケーションでしか判断ができません。
家庭教師会社を仲介しているので、どんな人物であるかという保証・安心感と、家庭教師会社という看板を背負って派遣されているという一定の信用もあります。
教育の質・実績がわかる
家庭教師の『教育(指導)の質』は先生の質・能力に依存します。
例えば、高学歴だからといって、教え方が上手いということはありませんし、指導ノウハウがあるというわけでもありません。
家庭教師会社は、先述の通り先生と契約(採用)後に、家庭教師としての振る舞いや指導ノウハウなどの研修を行うため、教育の質が一定の水準以上であり安定しています。
家庭教師会社は毎年様々な学校のデータや全国模試の情報を収集し、最適な教材やカリキュラムに適用し指導へ役立てています。そのため「○○学校を受験に特化した対策」「通っている塾のフォローアップをしたい」などといった具体的な要望にも応えてくれます。
「受験対策」や「難関校を目指す」「学力伸び悩み解消のため」などの理由で家庭教師の利用を考えているのであれば、家庭教師会社は最適です。
家庭教師会社のHPには実績なども載っているので、自らの目的にあった指導を受けられるかなども事前に確認しやすいという安心感があります。
幅広い情報や質の良い情報を享受することができるというメリットと、家庭教師会社ならではの安心感があります。
サポート体制・先生の数
ご家庭と先生の間を家庭教師会社が仲介しているので、家庭教師会社からもサポートを受けることができます。
「どのように家庭学習を進めて行けば良いのか」の相談や「受験をする際の受験校の決め方」「滑り止め校の決め方や提案」などのサポートを家庭教師会社からも受けることができます。
特に「相性が悪い」「成果が出ない」などの理由で先生を変更したくなった際や、先生都合(病気や学校卒業など)で指導が継続できなくなった場合にも、新しい代替の先生を紹介してくれるなど、多数の先生を抱えているからこそできるサポートも受けることができます。
また、指導(授業)後は先生から家庭教師会社へ報告(指導内容)の報告をさせることがほとんどなので、報告内容によってご家庭へフォローサポートをしたり、先生の研修などを行うなど、より上質な教育を提供できるようなサポート体制があります。
トラブル・クレーム対応
人間同士なので、どうしてもトラブルや不満・クレームが発生してしまうことがあります。「相性が悪い」「成果が出ない」「授業の進め方が気に食わない」など、先生に直接は言いにくいことも出てくることもあります。
家庭教師会社のサポートと近い内容ですが、家庭教師会社はトラブルが発生した際に、家庭教師会社が先生とご家庭の間に入り、『トラブルの対応・解決』をしてくれたり、直接には『言いづらいことを伝えてくれる』など、仲介役がいるというサポートを受けることができます。
家庭教師会社のデメリット
金銭的な負担が個人契約に比べると大きい
家庭教師会社に依頼する際に一番のデメリットと感じるものは、『金銭的な負担が大きい』ことです。
後述しますが、家庭教師会社もできるだけ低価格でサービスを提供を目指していますが、個人契約で家庭教師を依頼するよりも高価格になります。
先述のメリットでもご紹介している通り、家庭教師会社は『質の良い教育』『サポート・トラブル対応』を提供しますが、その充実したサービスを提供するためには研修費や事務管理費・手数料などは、どうしても必要となってしまいます。
コストを支払う対価として『質の良い教育』『サポート・トラブル対応』を受けられます。
教師を選べない
家庭教師会社に依頼する際は、どんな目的(受験・基礎学力アップ・学習習慣)で家庭教師を依頼するのか、またお子様の性格(趣味や部活動)などを細かくヒアリングがあり、『目的達成』かつ『お子様と相性の良い』家庭教師が派遣されます。
ですが、どうしてもご家庭は要望を伝えるだけという形で、先生を選ぶのはどうしても家庭教師会社となってしまいます。そのため、イチから家庭教師を選びたいというご家庭にとってはデメリットに感じるかもしれません。
また、家庭教師会社がご家庭にマッチした人材を探すためには少し時間がかかるため、個人契約と比べると指導開始までに時間が必要です。
サポート体制は会社による
ほとんどの家庭教師会社はトラブル対応などのサポート体制が充実していますが、どの程度のサポートをしてくれるのかは会社によって異なります。自らが求めるサービスは何かを事前に下調べしておくことも大切です。
家庭教師会社の料金
ここで、家庭教師会社の料金についてご紹介します。
入会金(登録料)・保証金
多くの家庭教師会社は、初めに入会金が必要です。入会金とは、申込時に発生する事務手数料のようなもので、初めに一度だけ支払う必要があるものです。
一般的な入会金の相場は「0円〜40,000円」程度です。家庭教師会社によっては、入会金無料・割引のキャンペーンや紹介割引などを行うこともあります。また、兄弟で一緒に入会すれば割引されるという会社もあります。
また、一般的ではありませんが、家庭教師会社によっては保証金を求められることもあります。保証金とは、万が一支払いが滞った際に補填できるようにする預かり金(デポジット)のようなもので、家庭教師解約時には精算され、返金されます。
授業料
家庭教師会社によって、授業料を1時間ごとに計算するタイプと1コマ(例えば1コマ:90分など)ごとに計算するタイプに分かれています。
授業料は、授業時間や授業コマ数に応じて料金が変化します。授業料については下記でご紹介します。
交通費
基本的に家庭教師は先生がご家庭に赴いて授業を行うため、先生の移動手段によっては交通費が発生します。その場合は交通費をご家庭が負担する場合が多いです。交通費の相場は、「400円〜1,000円/日」あたりです。
交通費については、各家庭教師会社によって異なりますが、定期券の範囲内や徒歩・自転車であれば、交通費はかからないという会社が多いです。
教材費
家庭教師会社によってはオリジナルの教材を用意している場合があり、教材を購入しなければならない場合もあります。一般的な教材費の相場は、毎月3,000〜10,000円支払うパターンや一括で購入するパターンなどさまざまです。
もちろん、オリジナルの教材を使わずに学校の教科書や問題集を使って進めてくれる家庭教師会社もあります。会社によって教材費が必要かは異なるため、事前の確認が必要です。
管理費
家庭教師会社に依頼する際には管理費(サポート費)がかかることが一般的です。管理費の相場は「3,000円〜5,000円/月」です。
先述のような家庭教師会社のサポートや、教育の質の保証を享受するための費用だと考えることができます。会社によっては授業料に含まれていたりなど、管理費が発生しない場合もあります。
個人家庭教師と家庭教師会社の比較
ここから個人契約と家庭教師会社の違いについてご紹介します。
個人家庭教師とは
家庭教師会社などを通さずに、ご家庭(生徒)と先生間で『直接』契約を行うことです。
そのため、ご家庭と先生の間に仲介者(家庭教師会社)がおらず、月々の仲介料(手数料)を支払う必要がないので、金銭的な負担が少ないという特徴があります。
ただし、家庭教師会社が仲介しないため、基本的に受けられるサービスは指導のみです。サポート体制はないため、トラブルが起こった際は自身で対応・対処しなければなりません。
授業料の比較
先述の通り、個人契約の家庭教師会社と家庭教師会社の料金を支払うと、一般的には個人契約の方が安いです。
家庭教師会社の料金の中にはサポート料が含まれるため、料金だけで良し悪しを判断することは困難です。自分の目的やレベルに合った家庭教師、またはサポートが必要かどうかを検討し、費用とのバランスをとることが大切です。
また、個人契約の料金はお互いの条件のすり合わせ(希望値)となるので、料金がハッキリとしていない反面、家庭教師会社は料金が明確となっていることが多いです。
※家庭教師会社の場合は、下記に加えて、教材費や入会費などの費用もかかることが多いです。
受験の有無 | 個人契約 | 家庭教師会社 | |
小学校 | (受験なし)1時間あたり | 1,500円~2,000円 | 3,000円〜6,000円 |
(受験あり)1時間あたり | 2,000円〜4,000円 | 3,500円〜6,500円 | |
中学校 | (受験なし)1時間あたり | 2,000円〜3,000円 | 3,500円〜6,500円 |
(受験あり)1時間あたり | 2,500円〜4,000円 | 4,000円〜7,000円 | |
高校 | (受験なし)1時間あたり | 2,500円〜4,000円 | 4,500円〜7,500円 |
(受験あり)1時間あたり | 3,000円〜5,000円 | 5,000円〜8,000円 |
先生の質(教育の質)の比較
家庭教師は基本的に1対1のマンツーマン授業なので、授業(指導)内容はその家庭教師次第となります。
先述の通り、家庭教師会社から派遣される先生の場合は、会社の面接や試験を通過して採用されており、また会社からの研修も受けているため、マナーや指導の質、また能力もある程度保証されています。
また、どういった先生をご家庭へ派遣すべきかは、専門スタッフがヒアリングし選考するため、目的・目標にあった先生が派遣されます。
一方、個人契約の場合は、先生の能力や教育の質などの第三者目線での保証がありません。そのため、先生の能力が見えづらく、目的や目標に沿った指導を行うことができるかは個人の技量次第です。
集められる情報に限りがあるため、どのような情報をもってサポートしてくれるかについても個人次第なので、事前の見極めが必要です。
安心感
先述の通り、家庭教師会社は費用が高くなる分サポート体制が充実しています。日々のサポートやトラブル時の対応などは家庭教師会社が充実しています。
契約の段階でサポートや指導の進め方などの説明があり、契約書も結ぶので、一定の安心感も得ることができます。また、多くの家庭教師会社では体験授業を受けられます。
個人契約の場合は契約書を作成しない場合が多いため、トラブル発生時は自己解決をしなければならず、労力やコストがかかります。
特に、指導を受けていく中でクレームがなどが発生する場合、家庭教師会社を通していれば、お客様窓口でクレームに対応してくれるなどのサポートがありますが、個人契約の家庭教師の場合は、自ら直接トラブル対応をしなければなりません。
ビジネスライクに交渉することができる関係性であれば問題ありませんが、先生との関係性によってはクレームを言いにくいというケースも十分にあり得ます。
指導の安定性
家庭教師会社はサポート体制が整っているため、先生の交代もすぐに行え、継続して安定かつ安心の教育を受けさせることができます。
個人契約の家庭教師の場合、先生を変更したい場合や、先生の急な病気などによって指導を継続できなくなった場合、代替の先生を自身でイチから見つけなければならず、手間やコストもかかります。また、教育(指導)のペースが途切れることも考えられ、安定した教育を受けさせられるかどうかの保証はありません。
指導の柔軟性
例えば、発達障害や学習障害を持つお子様や、不登校などのある事情をもつお子様を対象とする場合、指導にある一定の配慮が必要となる場合があります。
家庭教師会社によっては、そういった配慮が必要なお子様が安心して指導を受けられるような家庭教師を派遣してくれたり、サポート・対応を行ってくれる会社もあります。
個人契約の場合は、個人の能力に依存するため、柔軟性に欠けた指導を行ってしまう可能性や、先生が見つからないというケースもあります。
家庭教師会社と個人契約どちらが良い?
家庭教師会社と個人契約はどちらもメリット・デメリットがあります。どちらを選ぶべきが良いのかはご家庭の考え方や経済状態によって異なります。
こちらの記事で、個人契約のよさや家庭教師会社との比較について詳しくご紹介していますので合わせてご覧ください。
▷【家庭教師】個人契約の良さ、家庭教師会社との比較|料金相場やタイプ別おすすめもご紹介
まとめ
こちらの記事では、家庭教師会社へ依頼するメリットについてご紹介しました。
家庭教師会社によって提供するサービスは異なるため、しっかりと吟味して決めることがおすすめです。また、家庭教師会社選びだけでなく、どんな先生が良いのかもはっきりさせておくことも大切です。
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