家庭教師が提案する、今ある時間の中で家庭学習を習慣づけるコツ

家庭教師コラム

私が家庭教師として普段接している生徒さんや塾に通う生徒さんは、当然ながら皆「成績をあげたい」「テストでもっといい点をとりたい」「苦手教科が理解できるようになりたい」という意識を持っています。
しかし、入塾時にそうした強い思いを抱いていても、家庭教師の授業を受けるということがルーティーン化してくると「今日は先生と勉強して疲れたから、もういいや」「塾で勉強しているから、家に帰ってからやらなくても大丈夫だろう」という思いが募ってしまう生徒さんも少なくありません。

「今日は塾で勉強したから家ではやらなくてもいい」という考えを肯定してしまうと、「学校で勉強したから塾や家ではやらなくてもいい」というおかしな前提にもつながってしまいます。
総合的な成績アップのためには、塾や学校に足を運んでいる時間以外も意識をして勉強の時間を確保しましょう。そうした習慣づけがなければ、学校や塾で頑張っていても定着に繋がらず、テストの点数や成績にもなかなか結びつきづらくなってしまいます。

今ある生活のどこに勉強時間を?

「家庭での勉強時間を作ってください」と言われても、なかなか難しいという場合も多いと思います。

・学校
・部活
・委員会
・塾
・塾以外の習い事
・家の手伝い
・学校の宿題や課題

これらに追われているため、自由に使う自分の時間も多くは持てない……という生徒さんにとって「学校とも塾とも違う、新たな学習時間を確保する」ということはなかなか現実的ではないでしょう。
また、無理をして一時間・二時間の勉強時間を捻出しても、忙しさに追われていては集中できなかったり、三日坊主で終わり結局習慣にはならなかったりと良い効果をもたらしません。

そんな場合には、今の生活の中に「新しく作る」のではなく、今ある時間のスキマで勉強「も」することが大切です。

こんなにある「スキマ時間」!

・バスや電車を待っているあいだの10分
・電車や車に乗っているあいだの10分
・お風呂を早めにあがって確保する10分
・ドライヤーをかけながら教科書を開く10分
・歯を磨きながら教科書を開く10分
・就寝前の20分

こうした毎日必ず訪れる時間に、目的もなくスマホをいじったりぼーっと過ごすのではなく、暗記や簡単な問題を一問解くなどの有効的な使い方ができるようになりましょう。
スキマ時間を使えるということは、常に勉強のことが念頭にあるという証拠ですので「たった数分の習慣」であっても、勉強に対する意識には大きな影響を与えるのです。

勉強を習慣づけるために、やってはいけないこととは?

勉強をする上では、目標を立てることでモチベーションを維持しようという勉強法が一般的かもしれません。しかし、目標の立て方を間違えてしまうとやる気をアップさせるどころか「勉強がうまくいかない!」「もう勉強はやだ!やめたい!」と思うきっかけになってしまうかもしれません。

☆出来るだけたくさんやろう!
☆なるべく難しい問題に挑戦しよう!

勉強を習慣づけたい場合には、このような目標は立ててはいけません。
もちろん慣れてきてからステップアップすることは必要ですが、まず「習慣づけること」を優先したい場合に、高すぎる目標はかえってやる気やモチベーションの面で逆効果をもたらしてしまう危険があります。

・難しい問題を三日おきにやる
・簡単な問題を毎日やる

この二つでは「簡単な問題を毎日やる」ほうが、学力向上を期待できるでしょう。だからこそまず習慣づける必要があるため、はじめから「難しい問題を毎日必ず○ページ以上!」といった高すぎる目標は立ててはいけません。
「難しい問題」こそ、学校や塾という場所を利用しそちらで強化していけば良いのです。家庭での学習はなにより「サボらずやる」ということを最優先しましょう。

「この時間にやる」
「必ず三問はやる」

などの最低条件以外は、細かく決めすぎてしまわないことも勉強の習慣をつける上で重要です。

どうしてもダメな時……試してほしい「有給システム」!

それでも、どうしてもやる気がおきないときやうまくいかないときもあるかもしれません。先述の通り、勉強は数日置きに取り組んでも意味がなく、毎日の習慣として取り組むからこそ意味があるのですが、「うまくいかないときも必ずある」ということをあらかじめ予想しておかなければなりません。

「どうしてもやる気にならない!」
「急な体調不良で、勉強どころではない……」
「やむを得ない予定変更や急用で、時間がつくれなかった」

こんなときのために、会社員の「有給」のようなお休みの日を用意しておきましょう。
お休みは月3回まで、週1回まで、二ヶ月で1回まで……など、その子の性格や生活環境に合わせて決定します。

休める日が限られていると、体調不良や急用などのやむを得ない用事に対応できるだけでなく、「なんとなくやる気が出ないけれど、お休みを使ってしまうのはもったいないから今日はがんばってやろう」などと自分で納得して勉強しはじめるきっかけにもなるのです。

勉強を習慣づけるには、気持ちを無視できない!

成績を上げるためには、学校や塾でのきっちりとした学習はもちろんのこと「自由な時間をどのように利用して勉強の習慣付けをするか」を無視することはできません。
時間ばかりがかかるダラダラ長時間学習や、難しい問題に挑戦はするけれど数日に一度のまれな学習より「簡単な問題でも少しの量でもいいので、毎日勉強する」ことが大切です。
そのためには現在の生活を見直し、短縮できる時間は極力短縮する、なにかをやりながらでも教科書や参考書に目を通すなど意識的に時間の使い方を考え直しましょう。
とは言え「毎日必ず」という目標に縛られすぎてしまうと、どうにもうまくいかないとき一気にマイナス方向に引っ張られてしまうという危険がありますので、あらかじめ臨機応変に対応するための余白を残しておくことも必要です。

やる気や気分の波は大人でもあるのですから、子どもの場合はもっと深刻な悩みになってしまいます。

「毎日やらなきゃいけないのに、できなかった」→「もうやりたくない!」

など、勉強に対してのネガティブなイメージが強ければテストの点数があがることは難しくなってしまいます。
限られた時間の中に「やるべきこと」を組み込んだ上で、慣れてきたら難易度を上げる・演習量を増やすなど、無理なく行うことが勉強を習慣づけるコツと言えるでしょう。

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